「ブルキナ先生」と呼ばれたい

ブルキナファソを知る「先生」に、ブルキナファソで「先生」になるために

「Changer Le Monde, C’est Vrai !? ~世界を変えるってホント!?~」


こんにちは。



前書きにもありましたが今月でブルキナファソ赴任1周年を迎えました。


特に大きな病気や怪我もなく、
マイペースに活動をしたり、友人とお酒を飲んだり、ダンスを一緒に踊ったり、
ほのぼのとしたブルキナライフを謳歌しています。


今回の記事は


「Changer Le Monde, C’est Vrai !? 
  ~世界を変えるってホント!?~」

ということで、
ブルキナの小学校でグローバルな授業を現地教師とコラボして展開してきました。





皆さんは「SDGs」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?


国連が2030年を目標に定めた持続可能な開発目標の具体的指針で、
日本のいくつかの会社がこの17のグローバル目標を
事業運営のために取り入れています。
学生写真コンテストも毎年行われていますね。




今回日本のある学校からお誘い頂き、
「ブルキナファソと日本の学校でSDGsを主題とした学校交流を行おう」
ということに相成りました。



それぞれの学校で17のゴールの優先順位を決め意見交換を行い、
順位の相違点を話し合うことでお互いの国を知る



という日本の先生のナイスアイデアにまるまる乗っかり、
ブルキナファソでは第一回目の授業を先日行いました。



しかし、授業をするまでの道のりが長かった、、、
思い出が走馬灯のようにぐるぐる脳裏を走り出す~




まず、持続可能な開発目標を知っている児童や先生がおらず、
企画説明と17のグローバル目標をフラス語でレクチャー


次に、小学生にも分かるように17のグローバル目標を更に簡易的にフラス語に翻訳し
配布するワークシートを作成と大量印刷


更に、馴染みのない題材を扱うに当たって
「子供が楽しく積極的に授業を受けるためにどうすればいいか」を考え、
グループ活動で使う道具を準備したり、授業指導案をフラス語で作成したり


加えて、導入部で日本の文化紹介をすることになり、
フラス語で台本を作る


授業の1週間前はフラス語と事前準備の二重苦に苛まれました。



悲しみのmerry-go-round~真夜中のmelody-snow-dance~
(一月ですがブルキナでは雪を見ることはまずありません、ダンスはするけど)




とは言え、授業の題材には個人的興味もあり、
担当するクラスの先生もやる気があったのでそこまで
「挟まれてるな」
という気持ちにはなりませんでした。




そしていざ当日。
先生の要望で朝1番に授業をすることになり、
寝ぐせも直さず学校に向かいました。


学校に着くと、
先生がおしゃれな格好をしてわたしの作った授業案を真剣に読んでいたので、
「寝ぐせぐらい直せば良かった」と後悔しました。


だがしかし、
覆水盆に返らず
そのままクラスにチェックイン


すぐに授業が始まりました。




まず、私が自己開示も含めて日本の紹介や自分の小学生の頃の写真を見せ、
SDGsについて説明しました。




その後、
担任の先生が17のグローバル目標をフランス語と現地語で丁寧に詳しく解説し、
個人で優先順位を決める作業を行いました。


普段の教室はなかなかカオス状態で、
指示がほとんど通りませんが、
児童は無言でワークシートに自分の意見を書いていました。
頭を抱えながら熱心に考える子供も。


また、先生も普段は椅子に座ってふんぞり返っているだけですが、
この日はクラスを見て回りアドバイスをしていました。



「こんなに真剣な児童と先生は初めて見るな、
いつもこうやって授業をして欲しいな」


と言いたい気持ちはありましたが、
その思いを胸に秘め、
私も机間指導を行いました。




長々と、40分後。
ほとんどの児童が個人ワークを終え、
次にグループ毎の意見をまとめる活動に入りました。


ここで、毎班に17のグローバル目標が書かれたポストイットを配って、
順位をミニ黒板に貼ってもらうようにしました



毎日座って黒板を写しているだけの授業なので、
珍しい「貼れる紙」に児童は興味深々。
黒板に早くポストイットを貼りたくて、
思った以上に話し合いが盛り上がっていました。


中には、几帳面にも綺麗にそろえている班も。
綺麗だねと言って褒めると、
それを聞いた他の班が折角張ったポストイットを全て剥がし、
綺麗に貼り直すという事態に。


何度も剥がしていたので粘着性が無くなり、
このアクティビティの後半には
私と先生がテープを持って教室を走り回るという謎の時間が訪れました。


しかし、児童も貼るだけでなく
きちんと話し合っていたので授業は着々と進行し、グループ発表。




先生が各班1名を指名し、
1番目に選んだ項目とその理由を尋ねていきます。



驚くことにほとんどの班が共通して
「人々に健康と福祉を」の項目を選んでいました。


「ブルキナファソにはマラリアなど多くの病気が蔓延していて、病院も少ないため」
という意見が多く、
予想以上にしっかりした意見に関心していました。


他にも「質の高い教育をみんなに」
「安全な水とトイレを世界中に」など
この国の現状を鑑みた意見が多数あり、
児童の授業内容の理解度の高さに驚きを越えて驚愕しました。




しかし、全てを完璧に理解しているというわけではなく、
貧困と飢餓の違いやパートナーシップの意義など、
言葉をあやふやに捉えている児童も多く、
自分の説明や準備が足りなかったと感じる部分も多々ありました。


しかし、全児童が個人で意見を考え、
グループ毎に1つの意見を出せたということは大きな前進であり成果でした。




授業の最後には子どもたちが、


「新しいことを学べた」
「世界中の人々が世界を変えることができると知った」
「日本の学校の意見も知りたい」


などトレビアンな感想を述べてくれました。


そして押しに押して長かった2時間に及ぶ授業が終了。
自分にとっても様々な発見があった授業でした。


最後には日本に向けて歌を披露してくれました。




現在は日本にブルキナファソの子供たちの頑張っている動画を編集して、
ビデオレターを作成中です。


肖像権などの関係でこの場にはアップロードできませんが、
この長ったらしい文章を読んで
想像していただければと思います。


また、2回目の授業が来月控えています。
今回の収穫を活かして、次に繋げられたらなと思います。




あとがき


この前ふと先生に
「君はブルキナで先生になればいいのに」
と言われてこのブログのタイトル目標を達成したと思い喜びました。
でも、よくよく見てみると「ブルキナ先生」なんですよね、、、
ブルキナ先生になればいいのに」って言ってくれないと、、、
頼むよ、、、言い直してくれ、、、


あと一年間で何とか呼ばれるよう、あんな手やこんな手を使っていきます。