「ブルキナ先生」と呼ばれたい

ブルキナファソを知る「先生」に、ブルキナファソで「先生」になるために

学校巡回、始めました。


こんにちは!


ブルキナファソに赴任してもうすぐ三カ月になる私ですが、
配属先や生活にも少しずつ慣れ、先週から活動の一つである学校巡回を開始しました。


そもそも、自分の活動の概要として、
「任地であるバゼガ県サポネ市(次回ボリューム満載でお届けします)にある学校を巡回して、現地の先生方に教科等の指導方法を提案する」
というものなので、この学校巡回が自分の活動の軸となります。



任地に配属されてから1カ月間は、各地で行われている授業研究会に参加したり、
同僚と一緒に学校の挨拶廻りをしたり、、、
それ以外はひたすら教科書を読みふけっていました。




まず最初に訪れたのは、自分の配属先の事務所からすぐ近くのところにある「Sapone Centre A」という小学校。
日本の学校の5倍はあるであろう大きな敷地に、日本の5分の1ぐらいの校舎が建っています。



日本の小学校との違いは沢山あります。まず授業。


授業のほとんどは公用語であるフランス語。
子どもたちは小学校からフランス語を学ぶので、慣れないフランス語を一生懸命使って頑張って勉強をしています。
勉強場所は教室だったり、時々会議で教室が使えない時は大きなマンゴーの木の下で、、



授業は午前中は朝の7時半から12時まで。
その後3時間のお昼休憩の後、子どもたちは午後は5時まで学校で勉強をします。
お昼休みの時間は学校によって異なりますが、この学校ではほとんどの子供たちが、お昼を食べたり、家の家事をしたりするために家に帰っています。



また、午前中の30分間の休憩には、校庭にある小さなお店に行ってお菓子やジュースを買ったり、
校庭に自生しているマンゴーを落として食べたり、
井戸に水汲みに行ったり、、



そして驚きなのは1クラスの人数。
CE2(小学校4年生)はなんと86人!
日本であれば3クラス編成になるところを、この学校では1人の先生が86人を相手に毎日授業をしています。


そんな子供たちは人数だけでなく一人一人がエネルギッシュ。
朝学校に着くと、わーっと駆け寄ってきて挨拶をしてくれます。
「おはよう、マサ!」とか「ヘイ、モナミ!(友達)」とか、、


決して先生とは呼ばれません。(笑)


日本の小学校に行っていた時も小学生から「オクちゃん」と呼ばれていたのを思い出しました。
日本でもブルキナでもそこは同じなんだなと。


しかし、そんな子どもたちのエネルギーには毎日驚かされます。例えば、「写真撮るよー」と声を掛けるとこんな感じ。



今のブルキナファソの最高気温は平均40度以上ですが、休みの日は子供たちは帽子も被らず、一日中外で遊んでいます。
そのバイタリティーはどこから来るんでしょうか、、。




このようにエネルギッシュなブルキナの小学校をお伝えしましたが、学校という観点からいくつか問題点も垣間見えました。


ブルキナファソでは教科書を自分で買わなければならないので、全員が教科書を持っていません。
隣の子に見せてもらったり、先生に見せてもらったり、、、


また、教科書と同様にノートも高級品で、クラスの半分の子供は小さい黒板を使って板書を写しています。
もちろん、次の授業になったらすべて消さなければいけないので復習ができない。



そんなこともあってなのか、子どもたちの計算能力はあまり高いと言えません。
発達段階の違いもありますが、小学校四年生でも繰り上がりの足し算になると指を使って計算し、2×8の問題が出されると指を使って2×1から数え始めます。


先生方も「教材が足りない」、「人数が多すぎる」などの声が相次いでいます。
でも、それらを解決したところで、子どもの学力向上には直接結び付くとは考えられませんし、他にも改善すべきところを先生たち自身に見出してほしいと思いました。



その一つが「学習環境の整備」。
教師の仕事は子どもたちに勉強を教えることの他にも、子どもたちが安心して、集中して学習に取り組むことができる環境を作る役割もあります。




しかし、ブルキナの小学校の教室はゴミで溢れ、机や椅子はネジが外れています。
子どもたちは毎回机を直しながら勉強を受けているので、机が壊れる度に直しながら授業を受けています。これでは、子どもが勉強に集中できません。



机や椅子があるだけいいという先生もいますが、


「学習環境を整える」


という意識はまだブルキナファソにはあまりないように感じます。
学校を巡回していく中で、その重要性を先生や子供たちに伝えていきたいと思いました。


とはいえ、やっぱり事務所で教科書を読んでいるより、学校に行って子供と触れ合う方が楽しいですね!